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YOU CAN (NOT) REDO.

厨二はじめました。

(ss)ハートビート

子供の頃からのあだ名は「ロボット」だった。生まれつきすべての筋肉が弱く、冷たい黒鉄の檻みたいなもので全身を包んでいたから、そのままロボットみたいだったからだ。動くとガシャガシャとものものしく音を立てて、かけっこやボール投げなんてもってのほか、大きな声だって出せない。人並みにできることと言えば、勉強くらいだった。石なんかも投げられたけど、大抵は檻にあたって弾き返ってしまった。

ぴかぴかのコートでテニスをしたり、女の子と大恋愛を繰り広げたり、朝まで友達と飲み明かしたり。おかしなことだけれど、背丈がのびた分、できない事が増えていった。どんどん細くなる筋肉を、見てみぬふりして勉強に励んだ。就職先には困らなかった。あとで知ったけれど、僕を雇うと国から補助金がもらえたらしい。認めてもらえるように、我武者羅に働いて、遮二無二勉強した。思い出は年に2つくらいしか増えなかった。

眠る前には、明日が来ることを祈りながら、左胸のあたりに専用の器具を取り付ける。夜の静けさに押しつぶされそうになって、初めて血管の鳴りが身体に響く。