YOU CAN (NOT) REDO.

厨二はじめました。

るろうに剣心が嫌いだ。

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成人式、自分は行かなかったのを覚えている。何となく、地元の昔の友達に会うのが億劫だったのもあるけれど、毎年なされる「今年も成人式は荒れました」みたいな報道に巻き込まれるのが厭だった。ただ、30手前になった今思うのは、恥やら良識やら他人の心の中など余計なことを考えずに、無邪気に騒いで他人をブン殴れるメンタリティを持てるというのは、むしろ賞賛されるべきことだと思う。バンプよりオレンジレンジを聴くべきだった。

自分みたいな人生受けループを決め込んだリスク回避型の人間からすれば、こういうところで弾けられる人間はただただ羨ましい。大きなイジメに加担していたことをいつまでも後ろ暗い過去として抱えて戒めにしている自分とは違って、彼らは今日も弱者を踏みつけている。

子供時代を過ごした90年代後半はるろうに剣心がジャンプの看板だった。それまで勧善懲悪系のヒーローにしか触れてこなかった私はまんまと彼に感化されてしまったけれど、あれは贖罪と不幸の物語。大空翼を目指してサッカー選手を志したり、孫悟空を目指してサイヤ人を志すのと同じように、緋村剣心を目指して罪を探して不幸を志してしまった元・子ども、結構いるのではないだろうか。勝手に頬に刻んだ十字傷は、ハレの日に弾けることを許してくれない。

今の成人はワンピース世代だろうか。宴も仕事が出来るんだろうなぁと思う。そんな彼らには必要のない、鬱屈した人格形成の禁書、るろうに剣心。ジャンプ暗黒期に咲いた徒花なのに、思い出はいつも綺麗。未だに離れがたいジャンプマンガのひとつである。