YOU CAN (NOT) REDO.

厨二はじめました。

Appleが嫌いだ。

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ジョブズが死んで、Appleは終焉を迎えたという人が大勢いたが、息をしているだろうか。彼らはジョブズが遺した死海文書を忠実に再現し、一向に衰える気配を見せない。Appleの製品群はいつも魅力的なデザインと快適な操作性を兼ね備えて、敵ながら惚れ惚れしてしまう。なんとまぁ妬ましい。

私のApple嫌いは15年ほど前まで遡る。当時、MDプレイヤーに取って代わるものとしてmp3プレイヤーの黎明期を迎えていた。AppleSONYはもちろん、各社間違いなく今後の巨大マーケットとなるこの製品開発に取り組んだ。容量は128MBもあればハイエンド機と呼ばれるような、今となってはオモチャのような代物だ。だがしかしbut、けどけれどyet。ヘッドホン一体型、腕時計型、外部メモリ対応型、ラジオ搭載型、挙句の果にはカセットテープ型なんていう変態型も数多く存在していた。そう、無限の可能性、即ち夢があったのだ。

だが、iPodはことごとく正解を提示してきた。斬新かつ直感的なインターフェイス。ケタ外れの容量搭載、iTunesというプラットフォームまで巻き込んだ製品構築。現在のiPhoneおよびApple Storeをはじめとする各種サービスの原型がそこにあった。こんなの勝てるわけがない。レーザーガン標準装備の帝国軍に竹槍片手に気球で突っ込んでいくようなものである。

Appleはいつも正しい。消費者を籠絡してマジョリティ層をアーリーアダプター層まで引き上げ、競合他社の挑戦作をことごとく産廃にしてきた。そう、真の産廃製造機はAppleだ。時代を拓くリーダーの顔をして、時代を牛耳るボスである彼らのせいでイノベーターは産廃に夢を見られなくなり、ラガードへと堕ちていく。

「逃げちゃダメだ」が嫌いで、「逃げ恥」が好きだ。

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私は会社から逃げてきた。

昨年の春に勤め先が買収され、私は当時所属していた経理部門から、工場オペレーションの統括部門へ鉢替えにあった。そこでとある製造ラインの再開を担当。名だたる大企業である我が社において、そのラインの重要性は皆無。誰からも軽んじられるラインの再開をひそひそと進めていたが、経営層の気まぐれで予定より半月早く再開することに。必要人員の半数しか揃えられない工場に運び込まれる大量の部材は計画通りに積み上がり、計画通りに倉庫がパンク。計画通りに怒れる工場長とイカれた経営層の板挟みになり、計画通りに鬱病を患い、計画通りに診断書を会社へ提出し、計画通りに休職に入り、ガッキーの愛らしい「逃げ恥ダンス」の虜となり、YouTubeの再生回数を重ねる日々である。

逃げるは恥だが役に立つ、というタイトルだが、ハンガリーのことわざで、「戦う場所を選べ(Szégyen a futás, de hasznos.)」という意味合いだそうだ。結婚・グローバリズムリア充・文春・隕石・ゴジラ。僕らの生命を脅かす危険は数知れず。シンジくんが「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」とエヴァに乗ったのは作中設定で2015年だけれど、リアルな2016年は逃げ恥ダンスが大流行。そう、これは戦略的撤退であり、トレンドの最先端。休職中には国家資格を取得し、華麗なる異動ないしは転職を目論んでおり、シナリオは遅滞なく進行中である。そして何より、ガッキー可愛い。大好きである。