YOU CAN (NOT) REDO.

厨二はじめました。

醒めないが好きだ。

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中学一年生の冬、FMラジオからBUMP OF CHICKENの「天体観測」が流れてきた。布団の中で聴いたそのイントロの音色は未だに覚えている。CDと比べたら平面的な音像だし、電波の入りが悪いので尚更なのだが、僕をワクワクさせるには「ちょうど良かった」。これより綺麗でもきっとダメなのだ。

それは原体験というものであり、どんなに追いかけてももう手に入らない。苦い珈琲をゴクゴク飲めるようになった僕らの舌とハートは、もうすっかり鈍ってしまった。それでも、今年聴いたスピッツのアルバムにはだいぶワクワクされられた。全編通して聴きどころ満載でまだ味わい尽くせていないけれど、タイトル曲の「醒めない」について。

醒めない

醒めない

イントロで全部語ってしまっていて、歌メロがなくても成立してしまうような曲がある。例えばバンプ天体観測もそういう曲だけど、この醒めないもそう。特にドラム。この曲、イントロのドラムだけでいい。崎山さんのドラムは柔らかくもくっきりしていて大好き。歌詞についてあんまり語るのは野暮なのだけれど、「もっと膜の外へ/なんか未知の色探して」「相性悪い占いも/余計に盛り上がる不思議の実」なんて言葉のチョイスが完璧にスピッツだ。スピッツなんだけど、ここまでハッキリと決意表明や宣誓の色の濃い曲はなかったはず。草野マサムネはもう50くらいのはずだけど、歳を重ねてもなお新機軸。キャリアを積まないととできない宣誓。こういう歳のとりかたをしたいなぁ、と思ってしまう。

あと、音像的なことを言うならば、亀田師匠スピッツのタッグがやっとハマった。フェイクファーの頃のスピッツが戻ってきた。宇多田ヒカルをはじめ、すごく良い作品が多かった年だと思うけど、今年はスピッツかな。